■ワイン用語集■


ドイツ

ドイツのワイン生産地域は、ぶどう栽培の北限である北緯47度〜52度の範囲内に位置しています。
これは、日本近辺では宗谷海峡やカムチャッカ半島の南端を横切る高緯度にあたり、ぶどう栽培には考えられない程の寒冷地にあります。
ドイツワインの生産においては、日照時間が少なく年間平均気温も低いという高緯度での悪条件を、川面の反射光を利用したりズースレゼルベを加えたりと、 人間の知恵と優れた技術で克服し、甘味と酸味のバランスのとれた、フルーティで香り豊かな数多くの銘醸白ワインが産出されています。
栽培されているぶどう品種は、白ワイン用が全体の約86%、赤ワイン用が約14%です。
白ワイン用としてリースリング、ミュラー・トゥラガウ、シルバーナー種等、また赤ワイン用としてシュペートブルグンダー、ポルトギーザー種などがあります。
特にリースリング種はドイツの伝統的な品種の代表格として有名ですが、豊かな果実酸により非常に長寿で、中には20年〜30年たってもいきいきとした酸味と優雅な味わいを楽しむ事ができるものもあります。
栽培面積は約10万haで、13のワイン生産地域(アール、モーゼル・ザール・ルーバー、ミッテルライン、ラインガゥ、ナーエ、ラインヘッセン、ライン ファルツ、ヘッジシェ・ベルクシュトラッセ、フランケン、ビュルテンベルグ、バーデン、ザーレ・ウンストルート、ザクセン)があります。
それぞれの地域によって土壌がと異なり、個性豊かなワインが作り出されています。
※同じ場所でとれたワイン用のぶどうからつくった未発酵のぶどう果汁の事。


主なぶどう栽培地域

モーゼル・ザール・ルーバー地域
ライン川の支流であるモーゼル川と、そのまた支流であるザール、ルーバー川の3本川の流域に広がるドイツで最も有名なワイン生産地帯のひとつ。
モーゼル川は、フランスとルクセンブルグとの国境から、直線にして140kmのコブレンツまでを245Kmにわたり蛇行を重ね、その上流、中流、下流には異なったさまざまな土壌が広がり、変化に富んだワインがつくられています。
特に中流の地域には粘板岩質の「シーファー」と呼ばれる土壌が広がり、当地域を代表する、果実味豊かな芳香をもったワインがつくられています。

ラインヘッセン地域
西はナーエ川、北から東はライン川、南はラインファルツと接しているこの地域は、栽培作付面積が約2.64万haもあり、ドイツ最大のぶどう栽培地です。
なだらかな丘陵地帯に囲まれた、黄土質で砂岩や石灰岩を含んだ土壌から繊細でやわらかな口当りの果実風味豊かなワインがつくられています。

ラインファルツ地域
ラインヘッセンに次ぐぶどう栽培地で総栽培面積は、約2.3万haと広く、ワイン生産量では国内で第1位を占めています。
また、ボルムスから約80kmに及ぶ「ワイン街道」が南北に縦断し、見渡す限りの緩やかな斜面にぶどう畑が広がっています。
ドイツの中では比較的温暖な気候に恵まれ、爽やかな酸味の心地良いワインがつくられています。

ラインガウ地域
ドイツワインの中でも特に銘醸ワインの産地として有名で、ロルヒからホッホハイムまでのライン川の北岸に広がっています。
栽培ぶどう品種はリースリングが全体の80%を占め、他地域に比べ圧倒的に多いのが特徴です。
すべての畑が南を向き、幅1kmにもわたるライン川の反射熱を浴びてつくられるぶどうは、洗練された芳香と独特な力強い味をそなえた気品のあるワインとなります。

ナーエ地域
ライン川の支流、ナーエ川に広がり、モーゼルとラインヘッセンの間にあって、ワインも両者の中間的な性格を持ち合せているといわれています。
ぶどう畑はなだらかな丘陵地や急斜面の変化に富んだ、多種、多様な土壌の上に広がっています。
また、栽 培ぶどう品種も種類が多く、その結果様々な個性のワインを楽しむ事ができます。


ドイツワインの分類

QmP(クァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート)
ぶどう摘み取り表示つきワイン。
ドイツでもっとも厳しい規制をパスした、ドイツにおける最高級ワインです。
このクラスのワインは収穫するときのぶどうの状態で6種に区分されます。

QbA(クァリテーツヴァイン・べシュテイムター・アンバウゲビーテ)
限定地域上級ワイン。
生産地域が限定されています。
ラベルにはワインの生産地名が表示され、他地域のワインとのブレンドは禁止されています。

ラントヴァイン
地酒。
1982年、ワイン法の改正により設けられたランクの日常ワイン。
限定された地域で作られ、味のタイプはトロッケン(辛口)とハルプトロッケン(中辛口)に限られています。

ドイチャー・ターフェルヴァイン
テーブルワイン。
生産地方が指定されているワインで、ドイツ産のぶどうでつくられています。

QmPの種類
1.トロッケンべーレンアウスレーゼ(乾粒摘果ワイン)Trockenbeerenauslese
貴腐菌によって干しぶどうの様になった果粒を摘果してつくるたいへん糖度の高いワインです。
2.アイスヴァイン(氷凍ワイン)Eiswain
真冬までぶどうの摘み取りを遅らせ、凍ったぶどうのなかの水分を種や果皮とともに除去し、高糖度の濃厚果汁でつくるワインです。
3.べーレンアウスレーゼ(粒選りワイン)Beerenauslese
完熟したぶどうのなかでも特に熟度の高い果粒のみを選び出してつくるワインです。
4.アウスレーゼ(房よりワイン)Auslese
遅摘みぶどうの特に良い房だけを選び出してつくるワインです。
5.シュペートレーゼ(遅摘みワイン)Spatlese
完熟したぶどうを更に期日を遅らせ摘果してつくるワインです。
6.カビネット(特醸ワイン)Kabinett
完熟したぶどうを通常の期日に摘果してつくるワインです。

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